おでかけ

マリー・アントワネット展に行ってきました


激動の時代に、波乱に満ちた人生を歩んだフランス王妃マリー・アントワネット。

彼女が暮らしたヴェルサイユ宮殿の企画・監修のもと

彼女が残した数々の美術品や資料を通して

彼女の華麗で悲しくも儚い一生をたどる展示会が

六本木の森アーツセンタ−ギャラリーで開催されています。

あらかじめ前売り券を買っていたので

あまり混雑することなくゲートをくぐることができましたが

当日券を求めて並ぶ人の列に唖然.......

まだ開場前なのに、長蛇の列。

マリー・アントワネットへの関心の高さを

改めて感じました。


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                   会場のポスター前にてリカちゃんと記念撮影



会場となる森アーツセンタ−ギャラリーは

六本木ヒルズ森タワーのなんと地上52階。

そんなことはつゆ知らず、

案内に従って乗ったエレベーターの階数表示が

10階......20階......30階......と増えていくのにつれて

私の心臓は恐怖でバクバク.........

このエレベーター、どこまで上がるんだろう。

まさかチャーリーとチョコレート工場のように

このまま天井を突き破って外に飛び出したりしないよね........


地上52階からの景色ってこんな感じです。

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この展示で一番楽しみにしていたのは音声ガイド。

オフィシャルサポーターの木村佳乃さんのナビゲーターに

マリーアントワネット役の 花總まりさん、

フェルセン役の平川大輔さんが加わり

宮廷の華やかな音楽が流れる中、

マリー・アントワネットがお輿入れをした時の言葉や

母親マリア・テレジアに向けた子育ての喜びと悩みなどが語られます。


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『フランス王妃 マリー・アントワネット』1785年油彩

                      エリザベト=ルイーズ・ヴィジェ・ル・ブランと工房



音声ガイドの最初はハイドンの交響曲第85番

アントワネットのお気に入りの曲と伝えられ「王妃」と呼ばれる交響曲です。

華やかなマリー・アントワネットの時代を体験すべく

まずはこの曲を聞きながら入場してくださいと案内の人に言われ

音声ガイドのボタンを押そうと会場内を一歩進むと、

なぜか急に涙がこぼれてきてしまいました。


悲しいとか、嬉しいとか、そういう感情は全くなかったのですが

無意識のうちに涙が頬を伝わり

それがとめどもなく流れてきて、戸惑ってしまいました。

マリーの気持ちにリンクしてしまったのか、

それとも高層階での気圧の問題だったのかわかりませんが

溢れる涙を拭おうとしているうちに

肝心のプロローグの楽曲を聞き逃してしまいました。

ちなみにプロローグの曲はこちら。

華麗で気品のあるシンフォニーです。




この不思議な涙の現象を

一緒に行った主人に帰宅してから言うと

主人は、会場内にたびたび流れる

気分の悪くなった方は申し出てくださいというアナウンスが

気になっていたと言っていました。

私はずっと音声ガイドのイヤホンを付けていたので、そのアナウンスには気がつきませんでしたが

通常の展示会ではこんなアナウンスが流れることはほとんどないのに

何か違和感を感じたそうですが......


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わずか14歳で政治の道具となるべく政略結婚させられ

異国の地へと嫁いだマリー・アントワネットは

小さいころから音楽に親しみ、

シェーンブルン宮殿で優れた音楽家によりチェンバロの手ほどきを受けていたそうです。

チェンバロの演奏は当時、貴婦人のたしなみとまで言われていました。

この絵が描かれたすぐ後でフランスへと嫁いで行ったのです。

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『チェンバロを弾くオーストリア皇女 マリー・アントワネット』1769〜1770年頃油彩

                      フランツクサーヴァーヴァーゲンシェーン


音声ガイドで流された曲に、クルムフォルツ作曲の

『ハープの為の6つのソナタ』という曲がありました。

お抱え作曲家が王妃の親しかったランバル公爵夫人に献呈した曲です。

マリー・アントワネットの寵愛を受け

女官長に任命されるも

ポリニャック伯爵夫人にマリー・アントワネットの寵愛が移ると

一度は宮廷を去ったランバル公爵夫人。

しかし革命勃発後は身の安全が確保されていた亡命先のロンドンから

マリー・アントワネットの身を案じ

自ら危険を顧みず、女官としてパリのテュイルリー宮殿へかけつけました。

革命時の貴族狩りにて民衆に虐殺されてしましたが

彼女の慈悲深く博愛に満ちた人柄を表すような

優しくゆったりとした楽曲は

私まで幸せな気持ちにさせてくれました。





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会場では、マリー・アントワネットの肖像画はもちろん

愛用していた食器や漆器類、家具や壁飾り、衣裳など

貴重な資料約200点あまりが展示されていましたが

(会場内は写真撮影不可)

中でも目を惹いたのが母マリア・テレジアの影響で

パリの美術市場で買い集めたという

日本の漆器の数々。

伊万里焼のような装飾を施された素晴らしい工芸品に

魅了されていただなんて.....

私の祖父が蒔絵師だったこともあって

なんだかマリー・アントワネットがとても身近に感じました。

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この展示会で最大の見所は

ヴェルサイユ宮殿の中庭に面した

マリー・アントワネットのプライベートな空間であった

『プチ・アパルトマン』の再現。

王妃が実際に使っていた家具や浴槽などが原寸大で展示されていたのは

とても興味深いものがありました。

ヴェルサイユ宮殿以外でこの規模の再現がなされることは

史上初の試みだそうです。

こちらの居間は会場内で唯一撮影が許された場所です。


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この部屋で彼女は何を考え、誰を想っていたのでしょう。

洗練された壁の装飾や家具、色調など

全て彼女の趣味を色濃く映し出されたこの空間にいると

まるで時空を超えるような不思議な気持ちを味わえました。



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『白いペチコートに青いルダンゴト・ドレスを羽織って座るマリー・アントワネット』
                              1788年 油彩


                      エリザベト=ーズィジェ
・ルブラン


作者のエリザベト=ルィーズ・ヴィジェ・ル・ブランは

18世紀における最も有名な女流画家で

マリー・アントワネットとは

親友とも言える仲だったと言われています。

会場には彼女の自画像も展示されていましたが

とっても愛らしい顔立ちで優しい眼差しの女性でした。

退屈で窮屈な宮廷生活の中で

同年代の女性同士、画家と王妃という垣根を超えて

2人はどんな会話を交わしていたのでしょうか。


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会場内でひときわ目を惹いたものが

スウェーデン貴族フェルセンとの間で交わされた恋文の公開。

そのほとんどがあぶり出し用の無色インクや暗号で書かれていました。

池田理代子さんの描いたベルばらのフェルセンの姿を思い浮かべながら

愛する人を想う少女のようなマリーの気持ちに思いを馳せました。


会場を進むにつれて

私の心は暗く重くなりました。

マリー・アントワネットの最期の時が近づいてきたからです。

彼女に向けられた誹謗中傷の嵐の中、

数々の偽証によって有罪判決を受け

ギロチン送りに課せられたマリー・アントワネット。

豊かなブロンドの巻き毛の髪の毛は

無惨にも短く借り上げられ

着ていた衣服や靴はとても粗末なものでしたが

『犯罪者にとって死刑は恥ずべきものですが

無実の罪で断頭台に送られるなら恥ずべきものではない』と

ルイ16世の妹エリザベートに宛てた遺書にも書いているように

彼女は最期まで王妃としての威厳や気品を失う事はありませんでした。


王妃として、母として、そして女性として

波乱の一生を送ったマリー・アントワネット。

彼女は人として未熟なまま王妃となったために

王妃という任務を完璧にこなすことはできませんでしたが

彼女の純粋無垢で天真爛漫な性格と

最期までぶれずに自分の心に率直に生きた人間像が

今でもこうして人々を魅了し続けているのでしょう。

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会場ではマリー・アントワネットに関するおみやげが

たくさん売られていました。

ブルボン調の優雅な雰囲気を味わいたいと思って

いくつか購入してきました。

と言っても、売店の中は会場内よりもごった返ししていて

まるで押すな、押すなの満員電車の中に入るようで

いろいろと商品を選んで吟味できる余裕もないくらいでした。



こちらは会場内で販売されていたマット付き額絵のうちの1枚で

『王太子妃マリー・アントワネット』1770年

フランスの宮廷に到着して間もない頃のマリー・アントワネット。

初々しい姿がとても清楚で可愛らしい。

早速、近所の画材店で気に入った額を購入し額装していただきました。


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こちらは『王妃マリー・アントワネット』1778年

フランス王妃として即位してから数年後のマリー・アントワネットです。

髪をアップして王妃としての気品に溢れています。

こちらはポストカードで、

会場内で販売されていた額を入れて飾りました。

周りにいるお人形はビスク教室で作ったマリー・アントワネットの

メガネ入れとランプシェードです。


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そしてこちらは『フランス王妃 マリー・アントワネット』1785年

額縁に絵がセットされて会場で販売されていました。

華やかなドレスに身を包んでいたわずか数年後に

あのような悲劇が自分の身に起こることなど

まだ知る由もありませんでした。


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売店が混雑していた上に

額縁や絵がかなりかさばってしまい

あまり時間をかけておみやげを選ぶことは出来ませんでしたが

プチおみやげも買ってきました。


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まずは森永ビスケット マリー

マリー・アントワネットの絵を仕様した会場限定のパッケージになっています。

昔からあるこのビスケットの名前の由来は

マリー・アントワネットに由来していて

ビスケットの周りの模様は

マリー・アントワネットの家紋を表現していると言われています。

その下は会場で展示されていたマリー・アントワネットの絵の

ブックマーカーセット

あめやえいたろうの『Sweet Lip』ラズベリー味。

グロスリップのようなみつあめで可愛い!


そしてマリー・アントワネットと言えば

池田理代子のベルばらのメモ帳

もったいなくて絶対使えない〜〜。

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今回のマリー・アントワネット展は

2013年に開催された『マリー・アントワネット物語展』とは違って

華やかなドレスやウィッグの展示もないし

ほとんどの写真撮影はNGだったので

乙女心を揺さぶるようなトキメキはあまり感じられませんでしたが

時代の激しい嵐に翻弄され

儚くも気高く散っていったフランスの王妃の生涯を

垣間みることのできた貴重な体験となりました。


マリー・アントワネット展は今月26日まで

森アーツセンタ−ギャラリーにて開催中。


この後、青山のファーマーズマーケットに行きました。

その様子は次回の更新時に綴ります。







高橋真琴の原画展と時代まつり


11月14日から佐倉市立美術館で始まった

『高橋真琴の原画展〜佐倉で描かれた少女たち』に行ってきました。

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ブロンドの長い巻き毛にきらきらと瞳を輝かせ、

白いレースやリボンの施されたドレスを着て

色とりどりの花が咲き乱れる庭園で

静かに微笑む高橋真琴さんの少女の華麗で繊細なイラストは

いつの時代も女の子の夢と憧れでした。

筆箱に色鉛筆、自由帳や下敷きにハンカチ.......

小学生の頃の私の持ち物のほとんどは

高橋真琴さんのグッズで揃えていました。


私の住んでいる市に隣接している佐倉市在住の作家さんだけに

高橋真琴さんが描いた少女画のポスターは

ことあるごとに街や駅でもよく目にするのですが

どんなに急いでいても真琴さんのポスターを見ると

ついうっとり.......足を止めて見入ってしまいます。


佐倉市上志津のアトリエの庭に設けられた真琴画廊や

東京の展示会にも何度かお邪魔したことがありますが

私にとっては決して手の届かない神様のような存在なのに

気さくにお声をかけてくださって

その優しい気遣いとお人柄が

そのまま作品に表れているように感じました。

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今回のこの
『高橋真琴の原画展」では

初期の原画から近年の大作まで約300点もの原画を展示し、

真琴さんの60年にわたる真琴ワールドを一堂に紹介した

とても見応えのある展示会です。


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今回の原画展のポスターになった『水辺のユートピア』。

ポスターでは何度も目にしましたが

やはり原画の色と質感はポスターではなかなか表現できないものです。

水辺の緑の木々と、少女のベルベッドの深いグリーンのお洋服がとても印象的。

ブロンドの流れるような髪に

とっても映えるグリーンです。

このお洋服は数年前に真琴さんの個展で遭遇した女の子が

着ていたお洋服をイメージしたものだとか.....。

豊かな緑の森の水辺に小鳥たちが集まる憩いの場所、

まさに水辺のユートピア....

いつまでも眺めていたい、そんな原画でした。



会場では原画の他、

今まで描かれた少女雑誌やマンガの口絵、

文房具の数々も展示されていたのですが

まるでタイムスリップしたように

真琴グッズに囲まれていた子供時代が蘇ったような

懐かしさでいっぱいになりました。

真琴さんのイラストは、ただ眺めているだけで

とっても幸せになります。


会場の一角には高橋真琴さんのデザイン画を元に

地元千葉県立佐倉東高等学校服飾デザイン科の卒業生が制作された

可愛らしいピンクのドレスが展示されていました。

できるだけ原画のイメージを再現しようと

ドレス生地の質感やレースのデザイン、パフスリーブのボリューム感など

細部にまでこだわった力作に思わず見とれてしまいました。


又、会場内では2011年に行われたライブペインティングのDVDが流されていたので

その様子をじっくり拝見していたら

筆を持ち解説されている真琴さんのまわりを

ずらっと取り囲む来場者の中にお友達のhirokoちゃんを発見!

真琴さんの手元を見つめる彼女のおめめは

イラストの少女のようにキラキラしていました。

ライブペインティングの様子は彼女のブログでもご紹介されています。


『MACOTOPIA~高橋真琴 喜寿記念画集 出版記念展』


会場内は撮影禁止でしたが

こちらのスペースは撮影コーナーになっており

作品『サモワール』の少女と一緒に

白い椅子に座ってお茶会の気分で写真を撮ることができました。

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ミュージアムショップでは

たくさんの真琴さんの書籍やグッズが販売されていました。

本はたくさん持っているので、

今回はファイルケースと絵葉書を自分用に買ってきました。

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真琴さんのイラストの少女のほとんどが正面を向いているのには

作品を見た人が嬉しい時には

イラストの少女も喜んでいるように、

悲しい時は少女が励ましてくれるように、

イラストの少女と正面から向き合い

共に語り合えるようにという想いからだそうです。


家族には真琴さんの描く絵のバラをイメージとして作られたお菓子を

買ってきました。


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真琴さんのイラストが描かれたお菓子(4個入り)

バラのフィナンシェ フランポワーズ、ポストカード付き。

バラの形のマドレーヌもパッケージもどちらも

とっても可愛い!!


 
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実はこのお菓子をお皿に並べて、

紅茶を入れようとお湯をわかしている最中に

バニラ味のだけネコのチャッピーに食べられてしまいびっくり!!

(残りの3つはちゃんと家族用に手をつけないで残してありました。)

チャッピーは育ちがいいので(><)

今までは決してテーブルの上に乗って人様の食べ物を食べたことがなかったので

私も油断しきってました。

チャッピーもこのお菓子の可愛らしさの誘惑に勝てなかったのでしょうか....

我が家は3人家族プラス1匹

そしてお菓子は4つ入り。

家族へのおみやげに....って買ってきたから

チャッピーも家族として食べる権利はあるのでしょうが.....(><)

よりによって私の一番好きなバニラ味を......トホホ 

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こちらでは原画は販売されていませんでしたが

現代における最新技術を駆使し

原画に限りなく近い複製が作れるジグレーという印刷技術で作られた

ポスターが額に納められて販売されていました。

通常のポスター印刷と比べるとその差は歴然。

真琴さんの原画はなかなか手に入りませんが

これだったら私のお小遣いでも手が届きそうです。

会期は12月23日まで。

それまでにもう一度行ってみようと思います。



『高橋真琴の原画展ー佐倉で描かれた少女たち』

2015年11月14日(土)〜12月23日(水) 10時−18時

佐倉市立美術館(千葉県佐倉市新町210 TEL043-485-7851)



美術館のあとは佐倉の街並を散策。

ちょうどこの日は

佐倉・城下町400年記念のイベント

『第17回 時代まつり』開催の日でした。

この麗しき姫君のポスターも高橋真琴さんが手がけたものです。

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400年前、領主土井利勝が治めていたこの地に佐倉城が築かれ、

武家屋敷や町家が点在し、

佐倉藩十一万石の城下町として栄えました。

現在でも町のあちこちに当時をしのばせる

古い建物や史跡が残っています。


この時代まつりは江戸時代の風情が残る新町通りを中心に

武士、姫君、町人、商人、町娘などが行き交い

江戸時代の賑やかな町の様子を再現するお祭りで

今年で17回目となります。

11月14日(土)に行われる予定でしたが、雨天順延となり

翌日の15日(日)に行われました。

町のあちこちで江戸時代から続く日本の伝統芸や演武

捕物寸劇、大道芸などが繰り広げられました。

子供に人気の手裏剣道場や忍者変身処、

軽妙な口上の南京玉すだれやガマの油売り、

迫力のある鷹匠ショーなど

まるで江戸時代にワープしたかのようです。



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真琴さんの夢のようなロマッチックな世界と

江戸時代の賑やかな町の様子を垣間みることができて

とても楽しい晩秋の一日でした。



異界へのいざない〜妖怪大集合


毎年8月下旬から9月にかけてはイベントの準備や出演で忙しく 

ネットもほとんど出来ないほど追いつめられるのですが

先週ようやくそのイベントも無事終了し、

いつもの生活に戻りつつあります。
 

綴りたい夏のおでかけ編がもうちょっとあったのですが

ちょっと時期はずれな感も否めず

お蔵入りしようかと思いつつも

個人的にお出かけの記録として残しておきます。

しかし...............

お人形の話題ではないので、苦手な方はスルーしてくださいね。





リカちゃんキャッスルの後に

本来であればこちらがメインだった場所へ行きました。

リカちゃんキャッスルに長居してしまったために

閉館時間を気にしての来館でした。



茨城県天心記念五浦美術館の企画展

異界へのいざない〜妖怪大集合


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古来から伝わる『妖怪』をテーマとした浮世絵や水木しげる氏の妖怪画などを中心に

日本人にとって妖怪が今日まで身近な存在であり続ける意味をさぐるという

大変興味ある内容の展示会です。



『妖怪』と聞くと、苦手な方も多いとは思いますが

私も主人もこの手の話が大好きです。

小さい頃から都会で育った私は

夜間にも真っ暗闇になることはなく

『漆黒の闇』というものも想像できず

田舎で自由気ままに生きる妖怪にとても憧れ

プラモデルで妖怪やジオラマを作って遊んでいました。

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日本人にとって妖怪は古くから付き合いがありました。

同じ化け物として恐れられている幽霊や怨霊と違って

妖怪は怖いながらもどこかユーモラスで

人間の悪い行いを戒めるために存在する

先人の知恵のような役割を持っているような気がします。

例えば、妖怪あかなめ

いつもお風呂場を綺麗に掃除しておかないと

あかなめさんが出て来るよと

よく祖母が話していましたし

川で遊んでいると河童にさらわれるから

むやみに近づいてはいけないとも言われました。


父が、さも今遭遇してきたかのように話してくれたのっぺらぼうの話は

怖いながらもとても面白くて

その内容がわかっていながらも

何度も何度も話してくれるようにせがみました。


当時は夜9時すぎになると、消防自動車が火の用心のために

『白鳥の湖』の音楽を流しながら家の前を通るのですが

おそらく、遅くまで起きている子は妖怪にさらわれるよ

母から言われたのかも知れないのですが

消防自動車の夜回りの物悲しい旋律がいつしか怖い音楽に聞こえ、

その姿を見ると祟られると言われている片輪車の妖怪のイメージと重なり

毎晩消防自動車が家の前を通るたびに

怖くてしっかり目をつむって布団の中で震えていた記憶があります。





美術館では写真撮影はできないので

展示物のご紹介はできませんが

江戸時代に描かれた数々の妖怪の浮世絵はとても迫力があり

活き活きと描かれていました。

水木しげる氏の描く妖怪画に大きく影響を与えたと言われている

鳥山石燕の『画図百鬼夜行』も展示されていて

妖怪好きにはたまらないイベントでした。



会場で唯一、写真撮影が許可されたブースは

映画『妖怪大戦争』の撮影用のジオラマが特別に展示された場所でした。


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古い民家に息衝くおどろおどろした妖怪たち。

作りものとはわかっていながらも

今にも動き出しそうな迫力に思わず足がすくみます。

ここでは夜の『妖怪ツアー』なるイベントの催しもあったようです。

ただし、小学生対象とのことで残念でした......


いつか境港の水木しげる記念館に行ってみたいなぁ.....



おまけ

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(ベッツィちゃんのウィッグを逆さまにかぶせたら

鬼太郎になっちゃったの図)

ちなみに背景の神社は、

息子が夏休みの工作の宿題で作った貯金箱を拝借



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(バレエのアラベスクでバランスの取り方のコツを

傘おばけから教えてもらっているベッツィちゃん)




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妖怪の小豆洗いにお米を研がそうとしているちゃっかりベッツィちゃん)
 

ECO EDO 日本橋 アートアクアリウム2015


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暑中お見舞い申し上げます。


うだるような暑さの中、涼を求めて

ECO EDO 日本橋 アートアクアリウム2015へ行ってきました。

照明や音楽、映像などの最新演出が

優雅に泳ぐ金魚をより一層幻想的に映し出しだす

アートアクアリウムは今年で5年目。

毎年行きたいと思いながらも、なかなか仕事と日程が合わず

5年目にしてようやく行くことができました。


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流れるような汗をぬぐって会場に入ると

ぼんやりとぶらさがった風情ある提灯の向こうには

ひんやりとした幻想的な世界が広がっていました。


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【金魚コレクション】

エントランスを抜けると

暗闇に浮かぶ円形の水槽の中を泳ぐ金魚たち。

刻々と変る色とりどりのライトが

その姿を幻想的に照らしていきます。

金魚は元々はフナの変異種で、それを鑑賞用として改良してきたもので

人の手による、まさに生きるアートだと言われています。


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【手鞠リウム】

日本の伝統的な手鞠をかたどった水槽をひらひらと泳ぐ金魚達

水槽には日本の伝統工芸である伊賀組み紐が施されていて

金魚自らが、可愛らしい手鞠模様を醸し出しています。


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【リフレクトリウム】

水槽に凹レンズ、凸レンズ、二重レンズなどが施されているので

中に泳ぐ金魚が大きく見えたり、小さく見えたり、歪んでみえたり...

まるで不思議の国のアリスの世界に迷い込んだような気分にさせられます。


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【パラドックスリウム】

垂直に見える面がない水槽。

中は一体どうなっているのか不思議な構造をしています。

水槽の真ん中を泳いでいる金魚なのに

なぜか直接触れそうな錯覚になります。
  

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【ロータスリウム】

涼し気な蓮の花の中を舞う金魚の群れ

中央の花びらには大きな金魚達が

そして回りの花びらには小さな金魚達が優雅に泳いでいて

その佇まいに思わず目を奪われます。

咲いてから4日という短い間で散ってしまう儚い「蓮」の一瞬を

まるで金魚達が力強く支えているかのように見えます。


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【アースアクアリウム・ジャポニズム】

地球をイメージした直径1.5mもある回転する大きな水槽の中を

錦鯉が悠々と泳いでいます。

見る角度によって、

オーストラリア大陸を覆い尽くすような大きな錦鯉

泳ぐ姿は見るものを圧倒させられます。

地球をイメージした水槽の下にセットされた水槽では

小さな金魚達があたかも海流を思わせるように

一定方向に流れて泳いでいます。


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【ギヤマンリウム】

ダイヤモンドのような透明な多面体で得られるプリズム効果で

金魚をより幻想的に映し出しています。


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【カレイドリウム3D】

色とりどりのライトで照らされた水槽の中を泳ぐ金魚

ガラスの屈折面によって

まるで万華鏡の模様のように刻一刻と変化していくように見えていきます。

各面に大きな覗き穴があり

きらびやかに泳ぐ金魚達を独り占めしている贅沢な気分にさせられます。


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【インフィニトリアム】

三角柱の水槽が40個合体してできた大型アクアリウム。

幅4m、高さ2.4mもある巨大な水槽の一番上から

滝のように水が流れる落ちています。

合わせ鏡のような奥行きで、金魚があたかも無限に存在しているような錯覚に陥ります。


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【ディスプレイアクアリウム】

金魚が泳ぐ水槽にお気に入りのアイテムを飾れるようにした水槽。

このあたりになると、混雑してきて人が写り込んでしまうために

写真の角度が微妙であまりよくわからないと思いますが

よく見ると水槽の中に、水中に浮かぶがごとくお酒が陳列されています。

これは特殊加工で水槽の内側にアイテムが飾れるスペースを作っているので

そのアイテムが水に濡れるということはないそうです。

金魚を見ながら、まるでバーのカウンターにいるような感覚を覚えます。


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【琳派リウム】

これは私が一番感銘を受けた作品。

幅3.6m、高さ1.8mの水槽に日本の襖の映像が投影されて

襖に書かれている四季折々の花の中を

襖絵の一部となった金魚達が泳ぎます。

センサーが金魚の動きを感知し

金魚の泳ぐ軌道に合わせて花や木々が次々と表れては消え

金魚が作り出す『偶然』によって同じ模様は二度と表れません。

金魚の動きに合わせて

左右の紅梅、白梅が一斉にぱっと咲くところはとても華やかで素敵〜〜

バックには印象派のような色彩豊かな音楽が流れ

襖の絵が刻一刻と変っていく様は見る者を飽きさせません。

いつまでも見ていたい作品でした。


この会場内では写真撮影はOKですが

動画撮影はNGとあって

この生きた襖絵の素晴らしさを静止画でしかお伝えできないのが

とても残念です。


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会場の外には金魚にちなんだグッズも数多く販売されていました。

家族のおみやげに買った金魚のおまんじゅう。


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金魚の形の皮に中身は抹茶味とストロベリー味の2種類の餡が詰まってます。

たいやきならぬ金魚やき?

とても美味しく頂きました。



私は7月17日(金)の朝一番で会場入りしましたが

それほど混雑もしてなくてゆったりと鑑賞できました。

19時からは音楽や照明の演出が変わり

ドリンクを飲みながら鑑賞できるようになります。(ナイトアクアリウム)


また、土曜日 祝前日の19時以降は

DJによるスペシャルライブが開催され

京都・祇園の舞妓さんとコラボレーションした『舞妓ナイト』や

女形・荒城蘭太郎が華麗な舞を披露する『花魁ナイト』なども開催予定だそうです。

また是非来年も行ってみたいです。


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『ECO EDO 日本橋アートアクアリウム2015〜江戸・・金魚の涼〜&ナイトアクアリウム』

             会場 日本橋三井ホール(コレド室町1 5F)              
        開催期間 2015年7月10日(金)〜9月23日(水) 
開催時間 アートアクアリウム11:00〜19:00
      ナイトアクアリウム 19:00〜23:30
     入場料  当日  大人1000円 子供600円 3歳以下無料


宇宙ミュージアムTeNQとマダムアレクサンダーの星座シリーズ

2014年7月、東京ドームにオープンしたばかりの宇宙ミュージアムTeNQ

ここは宇宙を『感動する』をコンセプトに

楽しみながら宇宙を体験してみようというエンタテイメント施設です。

小さい頃からお人形の次に興味のあった『宇宙』にちょっぴり近づきたくて

早速行って来ました。

 


TeNQのTeN(テン)とは『天』『展』『点』を表し

Q(キュー)とは『クエスト(探求・冒険の旅)』『クエッション(問い)』『心がキューッ』となる

『キュリオシティ(好奇心)』『球』などを表しているそうです。
 
 

TenQは9つのエリアで出来ています。

まず、宇宙に関する書籍や地球儀やロケットの模型などのオブジェが

さりげなく飾られたエントランスに入ります。

2010年に発売されたミス アストラノート宇宙飛行士の

バービー人形も飾られていました。

 

宇宙戦争の映画の中に出て来る宇宙人が活動する時のような

不思議な音の聞こえる真っ暗なトンネル(トンネル0)を抜けて

はじまりの部屋に到着します。

ここでは凹凸のある壁全面がシアターになっていて

古代の人々の憧れの存在であった宇宙が

時代と共に、憧れではなく手の届く現実のものになっていく

『記録と記憶』の過程を

大迫力の音とプロジェクションマッピングで映し出されます。

 間髪入れず次々に映し出される映像の数々に引き込まれ、

 一体自分はどこの時代のどの空間にいるのかわからなくなりそうです。



そのエリアが終ると一番楽しみにしていたシアター宙のエリアです。


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(画像は公式サイトより) 


床には直径11mの穴が足下に広がり、

その穴からは、まるで国際宇宙ステーションから宇宙を見下ろしているように

約1600万画素の超高解像度で

 地球や宇宙に浮かぶ無数の星を眺めることができます。



地球の輪郭には青白く輝く大気圏が、

そしてところどころ緑色に光るオーロラも見えます。

夜の地球には人々が生活する灯りが灯され

地球が休むことなくエネルギッシュに息衝いているのを

感じることができます。

 

足下に映し出された映像が動いているだけなのに、

あたかも自分の乗った宇宙船が移動しているような錯覚に

思わず目の前にある手すりを強く握りしめました。 

真っ暗な宇宙に輝く無数の星が足下に広がっていると

不思議と浮遊感が感じられ

まさに宇宙遊泳をしているようです。

シミュレーションですらこの感動なのですから

実際に自分の目で見た宇宙は

言葉に語り尽くせないほど美しいのでしょうね。



次は東京大学総合研究博物館の分室として設置された『サイエンス』の場所。

研究員の方が、ガラス1枚越しに

普段と変らずパソコンに向かって研究をされていました。

ここでは火星探査機キュリオシティから刻々と送られてくる

火星のデーターをリアルタイムで見る事ができます。




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これは火星の地表が再現されたセットです。

その昔、火星にはかつて大きな海があり大気もありました。

ここでは地球に落ちて来た火星の破片の隕石を見て触れることができます。



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私の愛読書はエドガー・ライス・バロースのSF冒険小説

『火星のプリンセス』を始めとする火星シリーズ。

火星に突然ワープしたアメリカの元軍人が

地球の40%しかない火星の引力の下で、地球人の身体能力を生かして

そこに住むおぞましい生き物達と闘い

いくつもの絶体絶命のピンチを乗り越え

火星に平和をもたらすという壮大なスペースオペラです。


小学生の時この本を読んで以来、

この本の虜になり

何度この本を読み返したことでしょう。

まるで目の前で繰り広げられるような臨場感あふれる文章で

いつ読んでも、何度読んでも

想像力をかきたてられワクワクします。

私もジョン・カーターのようにいつか火星に行けるのではないかと

火星への憧れが尽きることはありません。



次はイマジネーションの部屋。

宇宙から想像力をかきたてられて生まれたコンテンツを

見たり、触ったり、参加したりできます。



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               (宙に浮いてる等身大の宇宙飛行士)

  

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                            (月面のパネル)


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                     (宇宙人と一緒に座れるベンチ)




次のエリア、企画展示室では

アメリカで実際に進められている民間宇宙旅行の計画が紹介され

いよいよ民間人でも宇宙へ行ける時代が来たのだと

実感することができました。




次のエリア、つながる場所では

今まで体験したことを通じて

より身近になった宇宙と自分との繋がりを感じることができます。


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この無限に広がる宇宙の中で、塵にも満たない地球は

なんて小さな存在なのでしょう。

その小さな地球に住む私たちは

なんてちっぽけな存在なのでしょう。

宇宙に目を向けたら

日々悩んでいる事など

取るに足りないことなんだということに気付かされます。

 宇宙ミュージアムTeNQでの宇宙遊泳疑似体験に

時間を作ってもう一度行ってみたいと思います。



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さて、今日は星つながりという事で

マダムアレクサンダーの星座シリーズの子(Zodiac)を

ご紹介します。

1998年にZodiac Collectionが発表され

12の星座をモチーフとしたユニークなお人形がリリースされました。

1998年はマダムアレクサンダー社の75周年記念ということで

力を入れたのでしょうか。

いろいろなジャンルの実にユニークなお人形が発売されました。

まずは『Taurus』牡牛座

自分の星座が牡牛座なので記念に買ってはみたものの

なんかユニークすぎちゃって......

こんなのを買うのは私ぐらいなものでしょうか.....

この子、どういう構造になっているのかというと

牛の着ぐるみを着ているのですが、

手の部分に、足と同じような蹄があります。


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キリッと男前のお顔です。


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こちらは『Aquerias』水瓶座です。

レジンを使って水瓶の水が流れ落ちるように見える工夫をしています。

 
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茶色の豊かなロングヘアーにグリーンの瞳。

オレンジ色の人魚のコスチュームがとてもよく似合ってます。
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 続いて『Aries』牡羊座

 Zodiacシリーズの中でもイチオシのアリエスちゃんです。

ふわふわの羊のコスチュームがとっても可愛い!

ケンタウロスのような足がリアルでよく出来てます。
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頬ずりしたくなるような可愛さです。
 
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このシリーズではこの他に、Virgo(乙女座)やGemini(双子座) を持っています。

この星座シリーズの子は

キュリオケースの中に飾られている

砂糖菓子のような可愛いお人形の中と一緒に並べると

だいぶ浮いた感じに見えますが

宇宙や天体もののグッズの隣にさりげなく置いて飾っています。

おばあちゃんになるまでには、

12星座の子を全てコンプリできたらいいなぁ.......


 
*Profile*

rikarinn

物心ついた時からお人形と暮らしていた管理人のrikarinnが
大好きなお人形やアンティーク雑貨の事などを綴っています。
2001年に立ち上げた本館サイト「Myprecious dolls」は
現在リニューアル準備中なので
当面の間、更新はこちらのブログにて行っています。

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